fantasy:ファンタジー
エルフの仲間達 -無断転載・流用は禁止です-

■エルフ(Elves)の仲間達とは■
国を作って集団で暮らし、月夜の晩になると草原や丘の上で宴会を開き、歌って踊るような妖精達を紹介する。美しく、かわいらしく、にくめないが、安心すると簡単に人を裏切る。善良かと思うと邪悪、礼儀正しいかと思うといたずら好き。

■エルフ(ELVES)■
歌い踊る人間そっくりの妖精
スウェーデン、ノルウェー、デンマークなど、スカンジナビアに起源をもつ人間によく似た妖精。背丈・見た目は人間に相似しているが、たいてい人間より美しい。だが、背中にすり鉢型のくぼみがあるとか、長い牛の尾が生えているとか、体のどこかに人間と明らかに違うところがあるので、エルフと見分けることができる。
生活形態も人間と似ており、王国を作り、集団で暮らしている。一般に丘の中(地下)や洞窟に住んでいるといわれるが、婚礼もあれば宴会もし、真夜中に丘で音楽会を開いたり、草原でダンスを踊るのが大好きだという。
イギリスの妖精たちがダンスをした跡には”フェアリーリング”という丸い円ができるという。スカンジナビアではその輪を”エルフダンス”と呼んでいる。
通常、エルフが踊る姿を人間は見ることができない。だが、偶然真夜中のその輪に入る事ができると、エルフの姿が見えるという。
人間を誘惑し、人生を台無しにする
美しいエルフに人間は惑わされやすい。ハンサムな男のエルフは憂いをたたえた姿で人間の女性を魅了する。美しい女のエルフは不思議な弦楽器を奏で、その美しい裸体で人間の男性を魅了する。
そうして、エルフの国へ連れ去られた人間は、ほとんどの場合人間の世界に戻ることはない。たとえ、戻ってきたとしても気が狂ってしまい、死ぬまで元に戻らない。エルフに連れ去られそうになったときは、エルフを非難してはいけない。エルフの魔法で瞬間的に殺されてしまう可能性もあるからだ。そういうときは、気の効いた言い方で注意すれば、幸福になれることもあると言う。
真夜中にエルフの踊りに近づいて参加してしまった場合も、連れ去られたのと同様だ。気づかず、朝まで踊り続けて正気を失ったり、疲れきって死んでしまうのだ。
北欧神話から生まれたエルフ
エルフ達にはいろいろな種類があると言う。良いエルフは空中に住み、人間に友好的だが、悪いエルフは地下に住み、人間を傷つけたり、病気にしたりする。また、中間のエルフもいて、それは洞窟や丘に住んでいる。
イギリスでは良い妖精は、”シーリー・コート”悪い妖精は”アンシーリー・コート”と呼ばれる。
この様に妖精に善悪の区別があるのは北欧神話以来の伝統らしい。エルフと言う言葉は元をたどると古代北欧神話の”アールヴ”に行き着き、その意味は”妖精”だった。つまり、エルフと言うのは、本来が特定の妖精の種族ではなく、妖精全般をさす言葉だったのである。
古代スカンジナビアでは多くの神々のほかに世界全体に精霊が満ちていると考えられていた。これらの精霊がアールヴであり、自然の精霊として植物の生長をつかさどる力を持っていた。
これらのアールヴは良いものと、悪いものにわけられた。良いものは”リョースアールヴ=光のエルフ”、悪いものは”デックアールヴ=闇のエルフ”と呼ばれた。二種類のアールヴは住む場所も見た目も正反対であった。リョースアールヴは、神に近い存在であり、その住居も神と同じ天界にあって、アールヴヘイムという国にすんでいた。その名の通り、太陽の光よりも美しい妖精だった。これに対して、デックアールヴは地下を住居とし、瀝青(アスファルト)よりも黒いとされた。彼らの国は地下に住む妖精としての小人ドヴェルグ(ドワーフ)が登場するので、デックアールヴとドヴェルグは同一のものとも言われている。
「指輪物語」に書かれた理想的エルフ
指輪物語に登場するエルフ達は、地上の生き物として考えられる最高の美徳を備えている。姿や大きさは人間に似ているが、人間より美しく、力と活力に満ち、老いることも病む事もない。エルフはもともと人間より優れているが、歳を取れば取るほど知恵も勇気も増すという特徴がある。ただし、不死と言っても戦いで傷ついて死ぬこともある。知恵に優れたエルフは、地上の種族の中でも最初に話すことを身に付けた種族で、それを他の種族に教えたとも言う。詩を作ることに秀でており、美しい声で歌う。物音を立てず、誰にも気づかれずに集団で森の中を移動する能力もある。兵士としては、特に弓の能力に優れており、敵の声を聞きわけ、暗闇でも間違いなく敵を倒すことができるほどだ。特に魔法を使うわけではないのだが、その能力の高さから魔法を使う能力がるようにさえ見えるのである。

■ディナ・シー(DAOINE SIDHE)■
騎馬に乗って行進する英雄妖精
アイルランドに住む。、体長20〜30センチの人間の姿をした非常に高貴な妖精たちである。ヨーロッパ中世の宮廷で暮らす王侯や貴族のようで、それ以外の多くの者達は騎士団のような格好をしている。体の大きさはきまぐれで、人間の大きさにもなれる。
妖精の国を構え、王を中心にして暮らし、決闘や狩猟、領内での争いごと、騎馬行列などに熱中し、歌や踊りが大好きである。特に、彼らの騎馬行列は”妖精の騎馬行(フェアリー・ライド)”と呼ばれ、アイルランドでしばしば目撃されると言う。
妖精の騎馬行は、アイルランド以外でも目撃される。スコットランドの「平和好きの人々(THE PEOPLE OF PEACE)」も騎馬行を行い、ディナ・シーに近い妖精ではないかといわれている。しかし、「平和好きの人々」には、王はいないようである。
妖精たちが騎馬にのり、行進するのは夜間で、くつわがかちゃかちゃなる音や、ひずめがぱかぱか言う音が聞こえてくると言う。妖精たちの歌声が聞こえてくることもある。王を先頭にした騎士達はみな着飾っており、緑の外套には素晴らしい黄金の縁取りがあり、手にとる槍も黄金である。馬達は全て素晴らしい血統のものばかりで、銀の蹄鉄に金のくつわをしている。彼らが向かうのは古代の住居跡である円形土砦(ラース)や、ケルト神話に登場する「トゥアハ・デ・ダナーン」の墓地や巨石の置かれた丘である。そこで、彼らは夜が明けるまで歌と踊りの宴会を続けるのである。
彼らの世界には年に3回の大きな祭りがある。5月の宵祭りは収穫をめぐる戦いの祭りで、出来のよい穂を手に入れるため、草原で争いあう。盛夏の宵祭りは、聖ヨハネを祝うもので、全ての丘にかがり火をともす。11月の宵祭りは、冬の始まりを知らせるもので、妖精たちは意気消沈し、幽霊と一緒に踊ったりする。
神々の末裔か、堕天使の仲間か
かつて、アイルランドを支配していた「ダナの息子達(トゥアハ・デ・ダナーン)」。彼らには、ストーン・ヘンジ、メンヒルといった巨石遺跡を残した種族である。彼らを滅ぼしたケルト人の祖、「ミレシアの息子達」は、彼らを滅ぼした後、これからは地上をケルト人が支配し、「トゥアハ・デ・ダナーン」は地下を支配すると契約をした。それは、トゥアハ・デ・ダナーンの驚嘆する巨石文化に恐れを抱いたからと言われている。トゥアハ・デ・ダナーンは、この契約によって、神として崇拝されることになった。
だが、民間伝承でこの神の姿は次第に小さくなり、ついに20〜30センチの妖精になってしまったようである。
また、ディナ・シーの出自には、全く別の説もある。この妖精たちはもともと天使で悪いことをしたために天から追放された堕天使である、という考え方だ。妖精たちは、堕天使とは言っても大きな罪は犯さず悪意のないいたずらしかしないので、天より追放されたが、地獄にまで追放されなかった、とされている。
妖精の国の一分はこの世の一年分
ディナ・シーの国は「常若の国(ティル・ナ・ノグ)」(永遠の青春の国)と呼ばれ、地下にあるとも、海底にあるとも、海のかなたの島にあるとも言われている。「トゥアハ・デ・ダナーン」の神々はケルトの祖との戦いに敗れたとき、一時的に西方の海のかなたの土地へ退却したことがあった。それが、「常若の国」と言う場所だった。この名前がディナ・シーの国にも与えられたのである。
「常若の国」は、地上的なイメージが強い。そこは、明るい楽園で、全ての季節の良いものがそろっている。そして草は青々としており、花は咲き乱れ、果物もたわわに実っている。そして、そこに住む妖精たちは毎日を楽しく遊ぶように暮らしている。もちろん、死が訪れることもない。だが、「常若の国」は、ゆっくりと時間が流れており、妖精の国の一分が、この世の一年分と言う。
フィアナ騎士団のオシーンという人物が、そんな体験をしたという伝承が残っている。オシーンは妖精の王女ニアブに誘拐され、海のかなたの「常若の国」に連れ去られた。ニアブと結婚したオシーンは3年経って、昔の中間に会いたくなり、人間の世界へ戻ることをニアヴに告げた。ニアヴはオシーンに白い馬を与え、「人間の世界では決して馬から降りないように」と約束させた。彼が人間の国につくとそこには、フィアナ族の姿はなく、キリスト教に支配された世界だった。オシーンがニアヴのいい付けを破り、馬から脚を下ろしてしまた。その瞬間、彼は一度に300年の歳を取り、しわだらけの老人に変幻してしまった。白馬は一声いななくと、西に向かって全速力で走り去ってしまったと言う。

■ムリアン(MURYANS)■
蟻になった異教徒の霊魂
体長10〜0センチ程の小さな人間の姿をした妖精で、イングランド南西部のコーンウォール地方などに住んでいる。人間と同じ姿をしているので、普通は単に「小さな人たち(the Small People)と呼ばれることが多い。
コーンウォールでは、死んだ異教徒の魂は、地獄に落ちるには良すぎ、天国に行くには悪すぎるので、この世にとどまって妖精になると考えられている。子尿生達は変身する能力を持っており、変身してもとの姿に戻るたびに体が縮んでしまうという宿命がある。このため、妖精たちの体はどんどん小さくなり、ついに蟻となり、最終的にはどこへもなく消滅してしまう。
彼らの性質は、いかにも妖精らしく無邪気である。彼らは丘の下に集団で住んでおり、明るい月夜の晩などに、丘の上や花咲く野原に出てくると市を開いたり、ダンスを踊ったりする。その姿は美しく、緑のズボン、空色の上着、男たちは三角帽子をかぶり、女達はとんがり帽子をかぶっている。その他にもたくさんの飾りをつけている。
彼らはどちらかと言えば善良で、寝たきりの老人などがいる家に遊びに行き、枕もとで遊んで老人を楽しませたりすると言われている。
ムリアンを護衛する醜いスプリガン
無邪気な妖精、ムリアンは人間に害を加えるより、贈り物を与えるなど価値ある行動をとる。だが、人間が悪意を持って近づいた場合には別である。スプリガンと呼ばれるムリアンとは別種の妖精(厳しい顔つきをしており、人間よりは雄山羊に似ている、古代巨人族たちの亡霊が要請になったもの。戦うときはもとの巨人族の大きさになるという)が、手に手に弓や槍を持ち、群れなして攻撃を加える。彼らはムリアン達を守る番人である。スプリガンは、的に追いつくとすぐに相手を地面に転がし、蜘蛛の糸で縛り上げる。蜘蛛の巣(特に朝露に濡れて輝くもの)は”ゴッサマー”と呼ばれ、妖精の織物と言われている。縛り上げた罪人を、ミツバチのように群がり針のようなもので刺し、苦しめるという。これらの妖精たちは、塩水に弱いので、海上に逃げるとおってこない、といわれている。

■エサソン(ELLYLLON)■
きのこと妖精バターを食べる透明な妖精たち
イギリス南西部のウェールズ地方に住む、透き通った体をもつ、小さくて善良な妖精である。林の中のジメジメした木々の根元に住んでおり、きのこや”妖精バター”と呼ばれる黄色い汁を出す菌類を食べて暮らしている。
エサソンの国には「マブ」という女王がいる。指輪に使われる宝石の瑪瑙程の大きさで、ハシバミの実の殻の馬車に乗り、芥子粒ほどの小人達がそれを引いていた、という描写で「ロミオとジュリエット」に登場している。
ホブゴブリンやピクシーのように家事や農作業を手伝うこともあった為、エサソンの体はもう少し大きいのではという説もある。エクソンは、とりわけ不運な人間を見つけると、手伝いをしてくれるという。彼らは、そんな家の主人のそばに現れ、「これからは、毎晩あたりが暗くなったら出来るだけ早く眠ってしまいなさい。後のことはエサソンが引き受けるから」とささやくと言う。彼らの言うとおりに、早く眠ると、毎晩約束どおりエサソンが手伝ってくれる。もちろん、そんなエサソンの姿を好奇心で覗いてはいけない。姿を見られたエサソンは二度とその家に現れないといわれているため、楽しく歌いながら仕事をする声がしても、気づかないふりをするべきである。
もしエサソンの姿を見てしまって、エサソンが消えてもその善良の妖精の力によりしばらくすると順調に仕事も運ぶようになり、それまでよりぐんと生活が豊かになるという。

■ピクシー(PIXIE,PIXY)■
手のひらに乗る陽気ないたずらものの小妖精
ピクシーは人間の手のひらくらいの大きさをした、陽気ないたずらものの妖精たちで、ピスキーと呼ばれることもある。イングランド南西部の、サマーセット、デヴォン、コーンウォール地方などでよく見られるもので、これらの地方では洗礼を受けずに死んだ子供の魂がピクシーになるといわれている。
有名なコティングリー妖精写真事件の「背中に羽根の生えた美しい妖精たち」もピクシーたと言われている。
伝統的なピクシーはほとんどの場合、妖精のトレードマークともいえる緑色の服を着ており、赤い髪の毛、反り返った鼻、大きな口、 やぶにやみの眼を持っている。また、時々老人の姿をしているという。体の大きさは、やはり自由に変えられるようである。
ピクシーは岩の中に集団で住んでいる。集団で暮らす他の妖精たちと同様、歌も踊りも大好きで、彼らが踊った後には、「フェアリー・リング(妖精の輪)」ができている。月の明るい夜には、外に出てきて、王を中心に今日は何をするか話し合う。そして、草の茎や燈心草にのって遠い場所まで空を飛んで出かけていく。そこで、彼らは良いこと、悪いことをするのである。
ピクシーの勧善懲悪的な振る舞い
ピクシーには善人には良いことをしてあげ、悪人にはいたずらをするという習性がある。
ピクシーは真夜中に馬を盗むと輪を書くように乗り回す性癖がある。馬が歩いた後に、「ガリトランップ」というフェアリー・リングができる。このリングには悪人を懲らしめる働きがあり、どんな人間でも、フェアリーリングに片足を入れると妖精の姿が見え、両足を入れると妖精の世界に囚われるといわれているが、悪人の場合には片足を入れただけでも妖精たちに囚われ、死刑にされてしまうという。
旅人を道に迷わせるピクシー化かし
彼らの行動の代表といえば、人を迷子にすることである。これは、”ピクシー化かし(ピクシー・レッド)”とか”惑わしの草地(ストレー・ソッド)”と呼ばれるいたずらで、旅人が一人で夜道を歩いているとよく起こる。
ピクシー化かしに会って迷子になったときは、上着を裏返しに着ると、正しい道に戻れるという。
ピクシーの姿を見るための伝統的方法
頭の上に四葉のクローバーを載せれば、簡単にその姿を見ることが出来るという。また、”妖精の塗り薬(フェアリー・オオイントメント)”を目に塗る方法もある。

■コリガン(KORRIGAN)■
古代の時代に巨石建造物を作った妖精たち
コリガンは、フランス西部のブルターニュ半島で見ることが出来る、エルフに似た妖精たちである。 北欧のエルフよりは体が小さく、見た目は人間と同じようだが、身長は大きなものでも60センチしかない。
その美しさは男女ではっきり異なっている。男のコリガンはまさに小悪魔のような雰囲気がある。全身が毛むくじゃらで、あごひげが長く、顔は人間のようで頭に角があり、脚が長い。そして、手に熊手を持っていることが多い。頭に角がないこともあるが、この場合には腰に角笛をぶら下げている。これに比べると女のコリガンは、人間に近い。白いベールを体に巻きつけ、これを夜見るとうっとりするほど美しく、気品にあふれているという。だが、昼間の光の中では、美しさは完全に失われ、髪は白く、目は赤く、顔はしわだらけになっているという。だが、コリガンは昼間は出てくることがほとんどないのでその醜い姿を見たものは少ない。
コリガンが住んでいるのはブルターニュ半島にある巨石遺跡の下である。ケルト人が昔住んでいた土地で、ドルメンやメンヒルなどの巨大遺跡が数多く残っている。コリガンはこれらの巨石遺跡の下にある妖精界に住み、月の明るい夜にそとにでてきては、宴会を開き、音楽に合わせて歌を歌っているという。このときテーブルに白いテーブルクロスを広げ、その真中に水晶の杯が置かれているという。この杯の中の液体には、人間を神のように賢くする力があるという。
悪魔から受け継いだ不思議な能力の数々
コリガンは悪魔の仲間だと考えられていたが、本来妖精なので、よい働きもしている。農家の守護神としての働きがあげられる。
コリガンは不思議な能力を持っている。自由に変身する能力で、どんなところへも一瞬にして移動する力がある。未来を予言したり、呪文で病気を治す力もある。体が小さい彼らだが、100トン以上もある巨石さえも簡単に動かすといわれている。 ドルメンやメンヒルを作ったのも彼らだといわれていた。

■ホビット(HOBBIT)■
指輪をめぐる冒険で活躍した小人の妖精たち
イギリスの作家、J.R.R.トールキンによって創作され、彼の小説で活躍している小人達である。
ホビットたちは基本的に保守的で、冒険とは縁のないような妖精たちである。彼らは古い時代にはかなり繁栄した種族たちだったが、その時代でさえ、エルフ・ドワーフ・人間といった他の種族の者たちと交流することはあまりなかったという。彼らは旧大陸(ヨーロッパ)の北西地方の山脈や森のある大地に住み、自分達だけの世界を作りそこでひっそり平和に暮らしている。
頻繁に食べてパイプをくゆらすホビットたち
トールキンによれば、ホビットたちは見た目は人間に似ているが、身長は60センチから120センチしかない小人の妖精たちだという。 ただし、身長120センチにもなったホビットは、歴史の中でも古い時代に属するものだけで 、通常のホビットは90センチを越えることはないという。体つきは小太りなものが多く、ドワーフのように頑丈ではない。顔は丸く、髪の毛は茶色の巻き毛で、足の裏が皮のように硬く、髪の毛と同じような巻き毛が生えており、靴は履かない。手の指が長くてとても器用だという。
太りやすい体質の割には体の動きは敏捷で、この敏捷さが人間の常識を超えているので、彼らが姿を隠す術は人間には魔法のようにさえ見えるという。歩くときもホビットたちは足音ひとつたてず、敏感なエルフに気づかれても人間には気づかれることは絶対無い。このため、彼らは妖精たちの間でも「忍びのもの」と呼ばれることがあるという。
彼らは非常に明るく、陽気な性格をしている。パーティや歌・踊りが大好きで、贈り物のやり取りをよく行う。何よりもすきなのは食べることで、一日に六回も食事をする。
ホビットの成人たちは、パイプを使ってタバコを吸う。彼らにとってはこの習慣は一種の技芸だと考えられており、”喫煙術”と呼ばれている。彼らの寿命は長くても130歳くらいで、33歳で成人と認められる。
住む場所は基本的に、大地の中にある。 それはウサギの穴のような穴で、貧しいものは窓が一つだけの穴に住み、金持ちは窓がたくさんある豪華な穴に住むという。
彼らの生活の基本は、食料を作り出し、それを食べることで集団で暮らしているものの、「政府」 のようなものは持っていない。

■クー・シー/ケイト・シー(CU SITH/CAIT SITH)■
妖精界に住むいろいろない妖精動物達
人間界に動物がいるように、妖精界にも動物がいる。クー・シーやケイト・シーもそういった妖精動物である。
クー・シーは妖精犬の一種で、スコットランドに住んでいる。イングランドに住む、ブラック・ドッグが凶暴な野良犬なら、 クー・シーは、飼い犬、である。妖精たちの番犬なのである。
クー・シーは満一歳の牛くらいの大きさがあり、カールしたもじゃもじゃの毛におおわれ、長い尻尾がぜんまいのように背中の上に巻き上がっている。彼らは妖精丘と呼ばれる、妖精たちが宴会を開く丘の内部に住み、 人間達のような部外者がそこに入り込んだときに動き出すという。
そして、ケイト・シーは、妖精猫の一種である。妖精猫は、妖精犬と異なり、主人を持たず、彼らだけで独立した王国を持っているという。さらに、彼らは人間の世界に飼い猫や野良猫として紛れ込んでいるものもいるという。
ところで、妖精界にはだいたいの動物がそろっているが、鶏だけはいないといわれている。それは、雄鶏の鳴き声は朝を告げるものであって、その鳴き声がすると妖精たちは逃げ出さないわけにはいなかいからだという。



注釈
フィアナ騎士団
「トゥアハ・デ・ダナーン」よりも後の時代に活躍されたとされるケルトの軍隊。特にフィン・マク・クワールが指導したその時代にその力が絶頂に達したと言われる。オシーンは、このフィンと女妖精サイブの子で、詩人だった。


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